8月26日(土)

 シネマート新宿で『あしたの少女』(チョン・ジュリ)を観た。以下はメモ。

 コールセンター運営会社で実習生として働く高校生のソヒ(キム・シウン)の物語と、刑事オ・ユジン(ペ・ドゥナ)がソヒが亡くなった真相を探るパートが前後半でわかれている。

 ユジンのパートを描きたいならソヒの物語をもっと短くしたほうがいいし、前半を描きたいなら後半の導入部分で映画を終わりにすればよかったんじゃないかと、後半に入るあたりから冗長さを覚えていたのだけど、途中で前半の長さには意味があったのだと気が付く。これは、ある少女の死によって社会の問題が浮かび上がりましたという映画ではない。ソヒという少女の物語が時間をかけて描かれていたから、社会のさまざまな問題に直面するユジンのパートが切実で重大な問題として受け止めることができるようになっている。そして最後のカットは、この映画はやはりソヒの物語なんだということを示していた。

 労働問題や差別、ストリーマーが受けるハラスメントや縦割り行政、事なかれ主義など、社会問題がてんこ盛りに描かれているのだけど、そのあたりについてはいろいろと余計なことを書きそうだから省略。

 チョン・ジュリ監督の『私の少女』はプライムビデオで配信中のようなので、時間ができたら見る予定。